文献&一般書籍(邦文) (2016)

塩田雄大 (2016). “させていただ゙きます”について書かせていただきます ~ 2015 年「日本語のゆれに関する調査」から②~, 「放送研究と調査」,2016年9月号,26-41.
山下洋子,井上裕之 (2016). “パンダが亡くなりました”は おかしいですか? ~ 2015 年「日本語のゆれに関する調査」から①~, 「放送研究と調査」,2016年6月号,74-89.
長田友紀 (2016). 国語教育における話し合い指導の研究, 風間書房
(*)教育における「話し合い指導」の諸場面とその効果を,さまざまな視点からアプローチしてみせた大著.門外漢には,なかなか短い言葉で表すことがむずかしいのだが,この分野の多岐にわたる興味ある内容である.とくに,次の3つの章で,教育における視覚化ツールの利用場面を巡るいくつかの話題を,テキスト型データの分析(テキスト・マイニング的なアプローチ)を扱っている.

第5章 <調査Ⅰ>グループ討議における複合的行為の分析―視覚情報化ツールに関する物理的側面―
第6章 <調査Ⅱ> グループ討議における話し合いメモの分析―視覚情報化ツールに関する記号的側面―
第7章 <調査Ⅲ> グループ討議における視覚情報化ツールの発達的分析―視覚情報化ツールの実践化に向けて―

いずれも,教育の場における話し合いにおける視覚情報化ツールを巡る課題を,上のような視点から,調査を介して得た情報をもとに,実証型に分析を進めている.その一環として、調査で得たテキスト型データ(メモ書き他)とその周辺のデータを用いて,丁寧に探索発見的にデータ解析を進めている.著者の一貫した視点からの永年にわたる研究の成果を,学位取得論文をもとに執筆した書.
この分野で,テキスト型データのマイニング的な分析を試みたい人たちにとって,役に立つ書であろう.