文献&一般書籍(邦文) (2009)

三中信宏 (2009). 分類思考の世界-なぜヒトは万物を「種」に分けるのか, 講談社現代新書,講談社.
原由美子,谷 正名,執行文子 (2009). ブログとテレビ番組 ~視聴行動との関係と活用の可能性を探る~, NHK 放送文化研究所年報 2009,pp.47-93.
原由美子,谷 正名,執行文子 (2009). ブログとテレビ番組 ~視聴行動との関係と活用の可能性を探る~, NHK 放送文化研究所年報 2009,pp.47-93.
樋口 耕一・中井 美樹 (2009). フリーソフトウェアを用いたWeb調査の実施, 立命館産業社会論集
小林弘人 (2009). 新世紀メディア論 ―新聞・雑誌が死ぬ前に, バジリコ
クリス・アンダーソン(著),高橋正樹則明(訳) (2009). フリー からお金を生み出す新戦略, 日本放送出版協会(NHK出版)
(*)ロングテールで有名になったアンダーソン(Wired編集長)の“FREE: The Future of Radical Price” (Hyperion, 2009)版の翻訳本。「フリーミアム」(=フリー+プレミアム)という造語を生んだ。「G2」(ノンフィクション雑誌),2010年3月,Vol.3に特集記事がある(賛否,両論が出ている)。この本の販売にあたって,実験的試みとして, 1万部限定でネットを通じて「フリー」(無料)で配布し,その後に有料で売り出し,結果,15万部以上を売れたという。このフリーミアムの実証としてあちこちで紹介されているようだ。
上村修一 (2009). 連連載 機械調査の誘惑―新方式調査の夢と現実― 第4回 テレビ世論調査, 市場調査,283号,2009年,No.4,11-15.
上村修一 (2009). 連載 機械調査の誘惑―新方式調査の夢と現実― 第3回 リアルタイムアンケート, 市場調査,282号,2009年,No.3,26-31.
上村修一 (2009). 連載 機械調査の誘惑―新方式調査の夢と現実― 第2回 テレビ世論調査, 市場調査,281号,2009年,No.2,13-16.
上村修一 (2009). 連載 機械調査の誘惑―新方式調査の夢と現実― 第1回 個人視聴率調査機, 市場調査,280号,2009年,No.1,12-15.
河野哲也 (2008,2009). 暴走する脳科学 ―哲学・倫理学からの批判的検討, 光文社新書
茂木健一郎,田中洋,電通ニューロ・マーケティング研究会(編) (2009). 「欲望」解剖, 幻冬舎文庫
小林よしのり (2009). 世論という悪夢, 小学館101新書
佐藤郁哉 (2008,2009). 質的データ分析法, 新曜社
毎日新聞社(編) (2009). 読書世論調査 2009年版 ―第62回読書世論調査/第54回学校読書調査, 毎日新聞社
(*)1947年から行われている読書世論調査の2009年版,じつは間もなく(2010年3月頃に)2010年版が出版されるはず。
岩永雅也,大塚雄作,高橋一男 (2009). 改訂版 社会調査の基礎, 放送大学教材,日本放送出版協会.
北澤毅,古賀正義(編) (2009). 質的調査法を学ぶ人のために, 世界思想社
ジェラルド・ザルトマン(著),藤川佳則・阿久津聡(訳) (2005,2009). 心脳マーケティング ― 顧客の無意識を解き明かす, ダイヤモンド社
(*)Gerald Zaltman (2003), How Customers Think, Harverd Business School Press.この書の翻訳本。いわゆるZMET調査(Zaltman Metaphor Elicitation Technique:メタファー表出法)の提案者が書いた本。ニューロ・マーケティングとはちょっと異なる側面から人の脳機能がマーケティング・リサーチにどう利用できそうかを議論している。“「心―脳―体―社会」を統合する新しいマーケティング・パラダイム”といった些か大仰なコピーがついた,ちょっと話題になった本。訳はまあ読みやすいが,調査関連の訳語をみるとその分野のことはあまり理解されていないようである。
山岡拓 (2009). 欲しがらない若者たち, 日経プレミアムシリーズ
(*)「現代の若者の意識や行動を分析」したとある。様々な調査を引用して,若者の消費感,コミュニケーション,文化などへの価値観,…を「口上」している。だが,これらの引用データが誰を対象としどう測定されたか肝腎の調査設計情報が一切ない。本の性格からそれは横に置いてまずは言いたいことを語るとしたいのだろうが,調査結果の分析というからには情報が偏っているといわざるをえない(素材が明らかでないなかで,どのようにでも描ける)。
三浦展・原田曜平 (2009). 日本辺境論, 角川oneテーマ
(*)2名の現役大学生の「デプスインタビュー」を行った結果を“この表題で”まとめたという。あまりに仰々しくはないか。そもそも定性調査(qualitative research)の方法論の1つとしてあるインタビューのしっかりした手順にのっとった方法で行われたのだろうか(「デプスインタビュー」という言葉を使うからには)。記述の内容の多くが筆者らのある種の誘導・仮説にそって(作られたナラティヴに導かれ)語った特別な事例にしか見えない。この内容でこの表題はないだろう。
菅原琢 (2009). 世論の曲解 ―なぜ自民党は大敗したか, 光文社新書
(*)この新書シリーズにしては,珍しくもっともらしいやや堅い本。政治学系の研究者の書いた少し毛色のちがった世論調査論,というか世論調査データの読み方が著者の関係してきた実査情報,メディア系の調査情報を多数引用し,豊富な図表で分析を試みている。調査方法論研究者も一読した方がよい書。
西平重喜 (2009). 世論をさがしもとめて ― 陶片追放から選挙予測まで, ミネルヴァ書房
(*)60年余にわたり世論調査,選挙予測・情勢調査の研究に携わってきた著者の深い洞察と体験が語られた興味ある書。「世論と輿論とは」「世論は歴史的にどう考えられてきたか」「世論調査の方法」「選挙予測とは」といったことの歴史的な経緯を含め,著者の長年の経験と研究成果が反映された書。
大久保孝治 (2009). ライフストーリー分析 質的調査入門 「社会調査のリテラシー6」(早稲田大学ブックレット), 学文社
星野崇宏 (2009). 「調査観察データの統計科学 ― 因果推論・選択バイアス・データ融合 ―」, 岩波書店
G. キング,R.O. コヘイン,S. ヴァーバ著/馬渕勝監訳 (2009). 社会科学のリサーチ・デザイン ― 定性的研究における科学的推論 ―, 勁草書房
野口裕二編 (2009). ナラティヴ・アプローチ, 勁草書房
大隅昇 (2009). M.クーパー著『効果的なウェブ調査の設計』を読んで, 「よろん」日本世論調査協会報,第104号,P50-60.
(*)これは下記の本の書評である.
Mick Couper, Designing Effective Web Surveys, Cambridge University Press,2008.
統計数理研究所 日本人の国民性調査委員会(編) (2009). 国民性の研究 第12次全国調査 ― 2008年全国調査 ―, 統計数理研究所研究リポート99,大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所
(*)1953年(昭和28年)に開始以来(第1回),2008年の第12次調査まで,5年おきに継続的に行われてきた貴重な調査研究報告の最新版。多くの分野における社会調査に与えた影響が大きく,この調査で用いられた質問や分析結果がひろく利用されている。関連情報が下記のサイトから閲覧,利用できる。
http://www.ism.ac.jp/kokuminsei/
(*)「新機軸創発センター 社会調査情報研究グループ」サイト(過去調査,その他の調査については下記のサイトを参照)。
http://survey.ism.ac.jp/